宇野昌磨選手の使用曲 Mea tormenta, properate!(ハッセ作曲『聖ペトロと聖マリア・マグダレーナ』のアリア)

宇野昌磨選手が来季のフリーで「G線上のアリア」と組み合わせて使う曲は、ハッセ作曲のオラトリオ『聖ペトロと聖マリア・マグダレーナ[マグダラのマリア]』(Sanctus Petrus et Sancta Maria Magdalena)内のアリア「わたしの苦しみよ、さあ早く!」(Mea tormenta, properate!)。アリアの曲名の日本語訳は、オルリンスキの下記CDを参照しています。

なんと劇的な曲!

この間のマルチェッロ「オーボエ協奏曲」とヴィヴァルディ「チェロ協奏曲」の場合もですが、静かな感じの有名曲と組み合わせる劇的な曲を見つけ出す宇野昌磨選手関係者の探索力に感嘆します。しかも、いずれもバロック音楽の中から!!

曲名も作曲家も馴染みがないと思います。クラシック音楽を聴くのを趣味とする私ですが、この曲は初めて知りました。ハッセは名前を聞いたことがあるくらい…。でも、いつの間にか「#メアトルメンタプロペラーテ」というハッシュタグができるくらい有名に(!?)なりました。名曲を知る機会になったので、宇野選手関係者に感謝ですね。

 

宇野選手が、フリーの後半の曲名は「メアトルメンタプロペラーテ」であると公表した動画(5月26日公開、曲名は動画の最後の方で言ってます)

www.youtube.com

 

「Mea tormenta, properate!」を流してのスケート練習(6月19日に公開された動画、練習風景は動画の最後の方)

www.youtube.com


この曲の作曲家ヨーハン・アドルフ・ハッセ(Johann Adolf Hasse, 1699-1783)の生涯などについては、以下のウェブページで読めます。

日本大百科全書(ニッポニカ)

kotobank.jp

・百科事典マイペディア
・ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

kotobank.jp


「わたしの苦しみよ、さあ早く!」(Mea tormenta, properate!)を収めたCDを二つ見つけました。

・アニマ・サクラ~宗教的アリア集
ヤクブ・オルリンスキ(カウンターテナー
マクシム・エメリャニチェフ指揮
イル・ポモ・ドーロ(ピリオド楽器アンサンブル)

tower.jp

・ハッセ作曲オラトリオ『聖ペトロと聖マリア・マグダレーナ』全曲(Mea tormenta, properate!は4曲目)
ソプラノ、メゾ・ソプラノ、カウンターテノールソプラニスタ
ミヒャエル・ホフシュテッター指揮
ルードヴィヒスブルク城音楽祭管弦楽団&合唱団(ピリオド楽器使用)

www.hmv.co.jp


このオラトリオやアリアは、YouTubeでも聴けます。

・ハッセ作曲オラトリオ『聖ペトロと聖マリア・マグダレーナ』全曲
前に挙げたオラトリオ全曲CDと同じ音源です(13:36~Mea tormenta, properate!)。「YouTube に使用を許可しているライセンス所持者」が表示されてるので、著作権についてはクリアされていると思います…。

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・『聖ペトロと聖マリア・マグダレーナ』より「わたしの苦しみよ、さあ早く!」(約7分)

アニマ・サクラ~宗教的アリア集(前記のオルリンスキのCD)収録

Sanctus Petrus et Sancta Maria Magdalena: "Mea tormenta, properate!"www.youtube.com

 

オルリンスキが歌っている映像(アリアの一部)

www.youtube.com

 

オラトリオという音楽ジャンルや作品が作られた時代背景などについては、下に引用したものに始まる一連のツイートが説明してくださっています。当時の社会状況や音楽演奏のあり様が分かって勉強になりました。

 

アリアの歌詞の日本語訳は、以下に引用したツイートから始まる一連のツイートにあります(曲名の訳は上記CDのものとは異なります)。歌詞の内容が分かると、作品をより深く味わうことができますね。